https://www.sankei.com/world/news/190129/wor1901290035-n1.html

下校途中の横田めぐみさん(手前)が北朝鮮の工作員3人に拉致され、船上に連れ去られる場面を演じる劇団夜想会のメンバー=29日、千葉県市川市の行徳文化ホールI&I(永田岳彦撮影)
下校途中の横田めぐみさん(手前)が北朝鮮の工作員3人に拉致され、船上に連れ去られる場面を演じる劇団夜想会のメンバー=29日、千葉県市川市の行徳文化ホールI&I(永田岳彦撮影)
北朝鮮による拉致問題を啓発する舞台劇「めぐみへの誓い-奪還-」(政府拉致問題対策本部など主催)が29日、千葉県市川市の行徳文化ホールI&Iで県内で初めて上演された。幅広い世代に拉致問題への理解を深めてもらう目的で平成26年3月から全国で公演が行われており、市川市での公演には約600人が来場した。

公演では、同本部の担当者が政府認定の拉致被害者が17人で、うち12人が帰国できていない現状や、拉致の疑いがぬぐえない特定失踪者が800人を超えていることなどを説明。その後、中学1年生だった横田めぐみさん(54)=拉致当時(13)=が新潟県の海岸で拉致されてから現在に至るまでの経緯や、同じ拉致被害者の田口八重子さん(63)=同(22)=が大韓航空機爆破事件の犯人となる金賢姫元工作員に日本語を教えながら、「日本へ帰りたい」と望郷の念にかられる場面などを劇団夜想会のメンバーが演じた。

同会主宰の野伏翔さん(66)は「過去ではなく、現在も続いている事件だと多くの人に知ってほしい。被害者全員の救出に向けた動きをこれからもつくっていきたい」と話した。